あたしの居場所
「奈央、いつ行くの?」
「あと少し...」
「そっか」
「なんで...?」
「思い出をたくさん作ろうと思ってさ」
凪斗があたしを横から抱き締める
心臓の音が聞こえる
「...心臓、早いね...」
「好きな女抱いてんだ。当たり前だろ」
「そっか...」
意味が違うんだけどね...
「悲しむなよ?」
「え?」
「会えなくなっても...悲しむんじゃねえぞ?」
「...悲しまないよ...」
「絶対だぞ?」
「分かってるよ...」
そんなこと...言わないでよ...
「多分アイツらのことだから、すぐ会いに行くだろうし」
「うん...」
「たかが飛行機で1時間だろ?」
「そうだけど...」
「近い、近い」
ケタケタ笑う
近くないし...
1時間って遠いし...