あたしの居場所
「同じ日本に居て、同じように今を生きてんだ。遠くねえ。全然近けぇよ」
「...うん」
前も言ったね?
住む世界が違うって言った時...
「何かあったら言え。俺がすぐぶっ飛ばしてやっから」
「やめてよっ、もう...」
凪斗は何するか分からない...
「引っ越しぐらいでクヨクヨしてんじゃねえ。二度と会えねえわけじゃねえし。会おうと思えば全員連れて、会いに行ってやるよ」
「あははっ、ありがと」
凪斗の背中に手を回して抱き締め返す
「お前が泣いてる時、分かるんだよ」
「なんで?」
顔を上げる
「分からねえ。分からねえけど...なんか胸がぎゅぅって切なくなって、苦しくなる。そんな時は絶対奈央が泣いてる時。だから分かるんだよ」
「そっか...」
顔を下げて、凪斗の鼓動の音を聞く
「奈央ー!!」
「友美!?」
ガバッと離す2人
「あら...いい雰囲気だった?」
「めちゃくちゃいい雰囲気だった」
不機嫌そうな凪斗
その姿を見てあたしはクスクス笑う
「んじゃ、俺下に居るから。奈央、決して飛び降りるなよ?」
「分かってるよ」
ニコッと笑って凪斗は降りて行った