あたしの居場所
「事故で死んじゃったの。それが理由で、友達からいじめられ始めた。結構の年月かかってるかな?誰が悪いなんて思っていないから...っ」
「...」
凪斗さんは優しくあたしの涙を拭き去った
「無理してんだな。俺、お前の家族は分からない。けど、もう自分責めるのはやめな。無理して笑うのはやめな。アンタがツラいだけだ。我慢するな。泣きたいなら泣け。伝えたいことがあるなら伝えろ。そうすればそいつらにも必ず伝わる。負けるな、奈央」
「凪斗さん...っ」
あたしは初めて大声を出して泣いた
本当は誰かに伝えたくて
もう1人は嫌で
お母さんにも智城にも心配なんかかけられない
ずっと1人で抱え込んできた
誰でもいいからあたしの気持ちを知ってほしかった
学校なんか楽しくない
今すぐに辞めたかった
あたし、何もしてないのに
ずっとあたしを責め続けた
「奈央、俺はお前の見方だ。何があっても俺はお前の傍に居る。何かがあったらすぐ俺の名前呼べ。何処に居てもすぐに見つけてやるよ。だからもう1人で悩むな」
凪斗さん...
「さ、お前はそろそろ帰りな?もう夕方だよ」
気付くともう夕日が出ている
「おいで。教えてあげるよ」
あたしの手を引いてあたしが迷子になった道まで案内してくれた
「凪斗さん、また逢える...?」
「ん」
あたしの頭を優しく撫でてくれる凪斗さん
「会えるよ、絶対」