あたしの居場所


「事故で死んじゃったの。それが理由で、友達からいじめられ始めた。結構の年月かかってるかな?誰が悪いなんて思っていないから...っ」


「...」


凪斗さんは優しくあたしの涙を拭き去った


「無理してんだな。俺、お前の家族は分からない。けど、もう自分責めるのはやめな。無理して笑うのはやめな。アンタがツラいだけだ。我慢するな。泣きたいなら泣け。伝えたいことがあるなら伝えろ。そうすればそいつらにも必ず伝わる。負けるな、奈央」


「凪斗さん...っ」


あたしは初めて大声を出して泣いた


本当は誰かに伝えたくて


もう1人は嫌で


お母さんにも智城にも心配なんかかけられない


ずっと1人で抱え込んできた


誰でもいいからあたしの気持ちを知ってほしかった


学校なんか楽しくない


今すぐに辞めたかった


あたし、何もしてないのに


ずっとあたしを責め続けた


「奈央、俺はお前の見方だ。何があっても俺はお前の傍に居る。何かがあったらすぐ俺の名前呼べ。何処に居てもすぐに見つけてやるよ。だからもう1人で悩むな」

凪斗さん...


「さ、お前はそろそろ帰りな?もう夕方だよ」


気付くともう夕日が出ている


「おいで。教えてあげるよ」


あたしの手を引いてあたしが迷子になった道まで案内してくれた


「凪斗さん、また逢える...?」


「ん」


あたしの頭を優しく撫でてくれる凪斗さん


「会えるよ、絶対」






< 7 / 82 >

この作品をシェア

pagetop