あたしの居場所


「呼び捨てで構わないよ。奈央が助けを求めてる時、俺を必要としてる時、俺は奈央の目の前に現れる」


「うん...」


「大丈夫。もう少しの辛抱だ」


にこっと笑って凪斗は手を振って帰って行った


あたしは家路まで走った


「高木さん」


足を止める


目の前には杉下さんが仁王立ちして周りにはとりまきが居た


「今日学校来ないと思ったら何してたの?」


「それは...っ」


言うといじめられる


でも言わないといじめられる


どのみちいじめられる


「言えないこと?」


「....」


黙る


何も言わない


「なんで黙ってるの?もう学校辞めるの?」


「辞めれない...」


「は?」


「あなた、学校での居場所ないのよ?」


「いい加減、やめてほしいんだけど」


クスクスと笑うとりまき達


あたしは無視して、猛ダッシュで走った


あたし、足には自信がある


小学校の時にお父さんが教えてくれたから...





< 8 / 82 >

この作品をシェア

pagetop