スノードロップ
転入生
「ねぇ!今日転入生来るらしい!しかも…」
「しかも?」
「超イケメン!!」
「はぁぁい、静かに~」
ガラッとドアが開き、すっごくカッコいい人が入って来た。
「香山匡斗です。よろしくお願いします」
「という事です。黒川さんッ」
「ぇ!はい!?」
「あなた学級委員よね?放課後、香山君に色々教えてあげて?」
「わかりました…」

じゃあ今日は彰護と帰れないんだ。なんか調子狂うな。

「…ってな訳で、今日一緒に帰れません!」
「そんな事より、香山?だっけ、なんか見たことあるんだよな…」
「え?どこで?」
「確か、渋谷でバンはってた奴」
「そんな人が何で…」
「さぁな?とりあえず、気を付けといた方がいいカモな」

…どうしよう。怖くなってきた。でも…そんな風には見えなかったけどな。
まさか!人は見掛けによらずって事!?あ~あ、最悪。

時はあっという間に過ぎ、放課後…。
話しかけ方に困っていると、
「あの」
「え、あ!はい」
「香山です」
「あ、黒川です」
「下の名前は?」
「愛実です…」
「愛実って呼んでいいかな?」
「どうぞ…」
なんか馴れ馴れしい…。苦手なタイプかも。
「じゃあ、俺の事は匡斗で!」
…あ。この笑顔、あの男の子に似てる…。
なんだろ、この感じ。なんで興味がわくんだろ…。
この人が、アノ男の子なわけがない!
そう思ってるのに、何で『もしかしたら』って思っちゃうんだろ。
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