スノードロップ
絶好?
次の日、あたしは郁に正直な事を言った。
「この前、郁があたしの悪口言ってる所…見た」
「うん、で?絶交する?」
「絶交は…しない」
「愛実だってうちの事ウザいって思ったでしょ?」
「…ひどいとは思った。でも、ウザいとは思わなかった」
「…安心して。うち、もう二度と愛実の前には現れないから」
「どういうこと?」
「うちさ、親の事情で海外に引っ越すんだ」
「そっか」
「もう二度と戻ってこないかもしれないから、愛実には、
またねじゃなくて、バイバイって言っとくよ」
「ねぇ郁?あたしね、今まで、現実から逃げてた気がする。
でも、この恋は諦めない。誰になんと言われようと諦めない。
郁みたいにもっともっと積極的になってみる!だから…ありがとう!
あたし、郁のお陰で強くなれた気がする!
ありがとう。じゃぁ、バイバイ…」
郁を残してあたしはダッシュで、どこかに向かって走っていた。
涙で視界が見にくい。

一度裏切られ、二度も裏切られたけど、
あたしは郁を今でも“親友”って思える。なんでだろ…。
裏切られたのに。一回じゃなく、二回も裏切られたのに…。
あたしはMかッッ藁。
これが本当の“親友”なのかな?
裏切られても、裏切っても、また仲直りして、
また再開して、また同じ時を過ごす。
これが“親友”なんだね。
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