だって、だいすき。
高校。
……ついに、この日がやってきた。

一週間も前から覚悟していたけれど、やっぱりドキドキする。

でも、「彼」のいる場所になら、勇気を出してどこへだっていける。

「……ねえ、マミ…大丈夫なの?」

お母さんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。

「だいじょーぶだよ、お母さん」

本当は私の不安で心臓が押しつぶされそうだけれど、にっこり笑う。

「そう。…無理は、しないでね?」

中学生の時、心を壊して入院までしてしまった私を、お母さんはとても心配してくれた。

「…うん。大丈夫」

その時、ぴんぽーん、とチャイムが鳴った。

「はーい」

玄関へぱたぱた走る。

勢いよくドアを開けると、そこにいたのは、「彼」――。

――瀬名 海斗。

私を、救ってくれた、

私の、私の、大切な人。大好きな、人だ。
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