保健室の魔法使い
「手を出してみろ」
先生は呪文を言い終わると唐突に言った。
「何で? 怪我してないけど」
「良いから早く出せ」
私は不思議に思ったが、先生の有無を言わさない言い方に仕方がなく両手を差し出す。
「甲じゃなくて掌」
私は手の裏を上にして両手を前に出したのだが、どうやら先生は手の表を上にして出して欲しかったみたいだ。
私は掌を上にした。
「あっ……」
「やっぱりな」
私の掌を見ると自分では気がつかなかったけど、下の方が皮が剥けて血が滲んでいた。しかも両手とも擦りむいていて砂で汚れている。
先生は予想通りだったのか特に驚くこともない。
私は痛みもなかったので、手も怪我をしていたことに驚いた。
「うわー、擦りむいてるよ。先生よく気がつきましたね」
「いつものことだろ。対して不思議でもないよ。てかさっさと洗って来い。消毒できないだろ」
「うん、わかったよ。先生ありがとね」
「何がだよ」
「私のことちゃんと見てくれていたんだね」
私は先生が次に何を言うのか聞かないでさっさと手を洗いに行った。
先生はまた適当に流すんだろうけれど、私のこともちゃんと見てくれているのがすごく嬉しい。
ただの生徒としか思っていないはずなのに、私が痛みに鈍感なこともちゃんと理解してくれている。
クールで素っ気ないけれど本当は優しくて、あと変なところがあって面白い飯田先生。
私はそんな先生が大好きだよ!
先生は呪文を言い終わると唐突に言った。
「何で? 怪我してないけど」
「良いから早く出せ」
私は不思議に思ったが、先生の有無を言わさない言い方に仕方がなく両手を差し出す。
「甲じゃなくて掌」
私は手の裏を上にして両手を前に出したのだが、どうやら先生は手の表を上にして出して欲しかったみたいだ。
私は掌を上にした。
「あっ……」
「やっぱりな」
私の掌を見ると自分では気がつかなかったけど、下の方が皮が剥けて血が滲んでいた。しかも両手とも擦りむいていて砂で汚れている。
先生は予想通りだったのか特に驚くこともない。
私は痛みもなかったので、手も怪我をしていたことに驚いた。
「うわー、擦りむいてるよ。先生よく気がつきましたね」
「いつものことだろ。対して不思議でもないよ。てかさっさと洗って来い。消毒できないだろ」
「うん、わかったよ。先生ありがとね」
「何がだよ」
「私のことちゃんと見てくれていたんだね」
私は先生が次に何を言うのか聞かないでさっさと手を洗いに行った。
先生はまた適当に流すんだろうけれど、私のこともちゃんと見てくれているのがすごく嬉しい。
ただの生徒としか思っていないはずなのに、私が痛みに鈍感なこともちゃんと理解してくれている。
クールで素っ気ないけれど本当は優しくて、あと変なところがあって面白い飯田先生。
私はそんな先生が大好きだよ!