A sweetheart is a ghost
バッとまた潤一を見ると澄ました顔。

”そんなことないし、友だちだよ!!”

って言ってやりたいけど言えない。


「どうした?何かあった?」

そう言って久保くんもわたしが見てる方を見た。

もちろん久保くんに見えるはずもない。

話、そらさなきゃ!!


「ううん、ちょっと。疲れてる顔かぁ。そんなことないけどね。」


そう言いながらわたしたちは歩いて出勤した。






この頃は異変なんて全く気付くはずもなかった。

小さな小さな異変だったし、潤一だって気付いてなかったかも。

というかわたしは異変なんて起きるなんて思ってもなかった。


わたしが潤一を苦しめたんだ。
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