A sweetheart is a ghost
その日、退社して亀川さんから来てたメールの場所に向かった。

いつものいきつけ。

ちょっと残業したわたしはちょい遅刻だった。

途中で今日来ると言ってた拓也にメールもしておいた。


「璃那、仕事頑張りすぎなんじゃねーの??」

遅刻してまで仕事してたわたしに言う潤一。

自分だって働いてたときは仕事三昧だったくせに。

「休んでたからしょうがないの。潤一だって残業ばっかだったじゃん。」

誰も周りにいなかったから小さく答えた。

そして会社近くのいつものいきつけの小さな居酒屋に行くとかなり声が響いてた。

小さいから座敷は会社のうちの階の人で溢れていた。

カウンターにも4人くらいいてもう貸切状態。


「璃那ぁ~!!来た来た♪こっちあけてるよ。」


同期で1番の仲良しの梓がわたしを呼んだ。

梓は日中は営業だから仕事中には殆ど会うことがない。


「ありがと。すみません…すみません。」


人の後ろを梓の隣に向けて歩いて行っていた。

後ろからは潤一が来てるのがわかる。

梓の横に座ると潤一もわたしの横に座った。

2こ上の先輩の坂口さんに重なるようにして。


「大変だったね。生でいい??」


「うん。」


そう言うと梓が勢いよく生を注文してくれた。

目の前に座ってる亀川さんも


「大丈夫なのか??」


と心配そうな顔をしてた。

潤一が今はそばに居るから大丈夫なんて言えない。


「もう心配いりません♪大丈夫です。」


笑顔で答えて潤一を見てニコッと笑った。

笑いかけられた坂口さんはもちろん不思議な顔をしてたけど。
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