A sweetheart is a ghost
「潤一…。」

そんな潤一をわたしは抱きしめてあげることしかできない。

わたしだって信じたくなんてない。

生きててみんなにわたしにはこんな素敵な彼氏がいるって大声で叫びたいのに。


「わり。クヨクヨしてもしょうがねーのに…。泣いたりなんて初めてだな♪さ、風呂だ風呂。」


そう言うと歩き始めた。

涙を唇を噛んで我慢した。

慰めたいけど慰めれば慰める程きっと辛い。

もう前のようではないんだ…。

前のように感じるのは2人っきりのときしかないんだ。


この日はわたしたちは抱き合って寝た。

まるで昔のように。



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