A sweetheart is a ghost
次の日からはいつものように1人で出社した。

潤一はお留守番。

よくわからないけど、通り抜けたり出来るくせに物は触ったりできるみたい。

詳しいことは教えられないとか言ってたから聞かないけど、コントロール出来るのかな??


会社では昨日あんなことがあった亀川さんが気まずいかも、って思ってたけど全然。

全くいつも通りで本当は酔ってたんじゃないかなって思うくらい。


今日も伝票整理をして帳簿をつけて領収書のチェックをして1日を終えた。


また電車に揺られて家に帰るとアパートの下に拓也の車があって、拓也が出てきた。


「お疲れ。」

バンッと車を閉めて近づいてくる。

「お疲れ。きてくれたんだ。」


「ん、ちょっと心配になったしな。」


そう言って手に持った袋を見せてきた。

たこ焼き屋さんの袋。


「ゴメンね、ありがとう。」

そう言って一緒に階段を登った。

鍵をまわすとシーンとした部屋。


潤一、いないの??

でも声に出すわけにはいかない。


「汚いけど。」


そう言って拓也を部屋にあげた。

部屋を見渡したけど潤一はいなかった。

どこに行ったんだろう…。

消えたわけじゃないよね!?

拓也がわたしを心配してくれてる言葉も上の空でずっと潤一のことを考えてた。
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