A sweetheart is a ghost
それからすぐ拓也は帰り、玄関まで見送ったあと潤一の横にわたしもゴロンとなった。


「どこ行ってたの~??心配したよ…。」


そう言ってピトッと寄り添った。

やっぱり潤一がわたしの1番の精神安定剤だ。

一緒にいて落ち着く。


「家行って来た。仏壇とかに俺の写真あってビビった。」

笑いながら言うけど、当たり前やん。

相変わらずマイペース。


「元気だった?おじさんもおばさんも悠くんもチョロ吉も。」

悠くんは潤一の双子の兄。

実家にいて潤一にそっくりだけど性格が全く違う。

冷たいというかよそよそしいというか。

社交的な潤一とは大違い。

チョロ吉はペットの犬。


「ん、みんな元気そうだった。安心したよ。母親がやつれてた気がしたけどな…。」

ちょっと悲しそうな表情を見せた潤一。

ギュッと抱きしめながら


「わたしもきっと今潤一がいなかったら痩せてひどい事なってたかも…。」


上から潤一の声が響いた。


「だろうな。璃那は俺がいないとダメだろうし♪」


相変わらず自信満々。

当たってるから言い返せないけど。


「ダメだよ。ずっとそばにいてね??」


「……ん。」


そう言うと抱きしめてくれた。
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