A sweetheart is a ghost
それからどれくらいたったんだろう?

1時間くらいかな。

潤一が帰ってきた。

急いでそばに走りより、肩を掴んでまじまじと顔を見た。

よかった、いつもの潤一。


「…璃那、何も聞かないでくれ。」

わたしが言いたいことがわかってるかのように先に言われた。

さっきの変化がすごい気になるのに。


「どうして!?どうしたの!?何であんな顔に…」


「言えないんだ…。ゴメン。でも璃那のそばにまだいるから。」


そう言って抱きしめてくれた。


……まだ。

今、”まだいるから。”って。

じゃあいつまでなの?

いなくなるの?

でも聞いちゃいけないんだよね。

考えるだけで辛くて、悲しくて…わたしは潤一の胸にそのまま飛び込んで泣いた。

声をあげて大声で。

そんなわたしの心情がわかってるかのように潤一は強く抱きしめててくれてた。
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