A sweetheart is a ghost
「うん、でもやっぱ聞いていい??」

やっぱり坂口さんは話を戻し、うどんのどんぶりの上に箸を並べた。

わたしも手を止めて坂口さんを見た。


「何をですか??」

何の話かは大体想像ついて、潤一の前だし嫌だけど断れるわけにはいかない。

きっと恋愛系だろう。

わたしがそれだけ言うと言いにくそうに周りを気にしながら小さな声で坂口さんは話した。


「亀川さんのこと。」

「亀川さんですか!?え、何もないですけど…。」

恋愛絡みではあるだろうけど何のはなしなのかさっぱりわからない。

亀川さんとは1度食事には行ったけど何も。

亀川さんの一体何を聞きたいんだろうか??


「うん、何もなかったって知ってる。でもどう思ってるか聞きたいの。」

目がかなり必死だということがわかる。

ジッとわたしを見てはずさない。

あぁ、坂口さんは亀川さんと何らかの関係があって好きなんやってわかるくらいの目。

潤一の前だし正直に言おう。

きっと潤一やってホッとしてくれるかもしれんし。


「わたし…潤一のことしか考えてないです。亀川さんは上司以外の感情は全くないですけど坂口さんもしかして??」

そう聞くと坂口さんはわたしから目線をはずした。

やっぱりそうやな。


「うん、好きなの。でも彼はわたしのことは好きなんかじゃなくって…。」


「どんな関係なんですか??」


ここは食堂ということもあって小声でキョロキョロしながら聞くと同じ行動をとって坂口さんも答えた。


「ただのセフレ。むこうにとってはね。わたしは好きなんだけど。」


男・亀川最低。

まじ亀川さんのレベルがガッと下がった。


「そうなんですね。」

これ以外何も言えない…。
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