A sweetheart is a ghost
「「え…──っ」」


わたしと雪子の声がハモった。

しまったと思ったけど既に時遅し。


「璃那も…見えてた?」

そんな問いに答える余裕はない!!

「ゴメン!!帰る!!!」


後ろに置いてたバッグとコートを手に掴むとみんなの制止する声も聞かず飛び出した。


潤一が消えた。

フッて…。

どうしよう、ほんとにどうしよう。


頭の中が割れるように痛かった。

胸騒ぎが止まらない──…。



タクシーに乗り込み、家に戻った。

鍵を急いで開け、家に入った。


「潤一っ!!!」


靴を脱ぎ捨て叫んで電気をつけた。

でもシーンとした部屋。


返事は返ってこなかった。
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