A sweetheart is a ghost
”これが永遠の別れじゃないだろ。”ってよくテレビで耳にする。

いつもだったら”かわいそうだなぁ、別れるなんて”って思ってた。

でも今のわたしは永遠の別れじゃないって言ってたあのカップルがうらやましく思える。

それほど潤一と離れたくない。

とめどなく流れ続ける涙を潤一は頬にさわってふいてくれた。


「璃那…泣かないでくれ。涙流してる時間、もったいない。笑っててほしい。」


真剣な顔で・・そして悲しそうな顔で潤一も言う。

潤一のほうが辛いってわかってる。

もう生きてないんだから。

でも分かってても止められない。


我慢しようとしても流れてくる涙と辛いという感情がウザくて唇をかみ締めた。

鉄の味がしてもかみ締めた。

涙をまず止めなきゃと思って。


そして泣き笑いというすごくブサイクな笑顔を出して


「ゴメン…もう泣かないから。」


って潤一に言った。

もう泣かない。

無理かもしれないけど頑張らなきゃ。


「ゴメンな。俺のせいで辛い思いさせて…。」


頭を下げる潤一。

肩が震えてる。


「ちょ…グス…潤一が泣かないでって…グスッ…言ったのに…。」


潤一の肩を揺すりながら言った。

潤一は手で目をバッとこすってわたしを見て言った。


「10日間、楽しもうな。」


そして唇にキスをしてきた。
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