A sweetheart is a ghost
土曜日、わたしたちは出かけることもなく部屋にこもっていた。

ここでしか堂々と話せない。

邪魔も入らない。

だから潤一と過ごすには家が1番。


朝から一緒に掃除したり料理したり映画見たり。

たくさん話した。


今まで行ったところの話、潤一との出会いの話、わたしのおかしい所。

ずっと笑ってたけど…わたし、ずっと胸が痛かった。

もうすぐ…あと9日だなんて考えられない。



そんなときだった。

家のベルがなり、誰か来たという合図を知らせた。


「はい?」


時間は夜の8時。

雪子じゃなきゃいいけど…。


そう願ってたわたしの耳に聞こえてきたのは


「亀川ですけど…。」



「え?」



亀川さんの声だった。

なぜ??


理解に苦しむ。
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