A sweetheart is a ghost
「え?って何だよ。お届け物です。」


「あ、はいすみません。ちょっと待ってください。」


受話器を置いて潤一を見た。

というか一体何のお届け物なんだろうか…。


「誰?」


潤一は寝転んだままわたしに聞いた。

嫌そうな顔を作って


「上司…。」


呟いて玄関に向かった。

きっとそれだけで亀川さんって気付いただろうな。



ドアを開けるとスーツ姿の亀川さんの姿。

あれ?今日会社休みだよね??

そう思いながら


「こんばんわ。どうしたんですか??」


驚いたように聞いた。



「今日仕事だったんだけど、緒方さんの机の上にこんなもんがあったから。」


そう言いながら手を上に持ち上げた。

その手には潤一に前にもらったブランド物の腕時計。

昨日急いで帰ったから気付いてなかった…。

確かお茶碗洗ったときにはずしたんだった。



「すみません…わざわざ。よかったのに…」


そう言いながら受け取った。

潤一がいるんだから早く帰さなきゃ。



でも亀川さんは帰る気配がなかった…。
< 49 / 71 >

この作品をシェア

pagetop