A sweetheart is a ghost
「じ、潤一!?え…──」


「なーに泣いてんだよ、このバカ。」


そう言うと横に座りわたしをギュッと抱きしめた。

震える手で潤一を触る。

いつもの…潤一。

体温だって…。


そして自分のほっぺをつねる。


「いた…──っ」


「何やってんだよ。つーかお前まだ信じてねーの??」


信じられるわけがない。

だって…さっきまで葬儀があってて、みんなで泣いてて…


「ま、そのうち慣れるだろ。」


あっけらかんと言う潤一。

いやいや──…。


「どうして?だって…潤一は…」

するとちょっと離れてわたしの頬を触りながら

「うん、死んだよ。でもまぁ、戻ってきたんだわ。アハハ。多分っつーか絶対お前しか触れねーし、俺と話せねーんだけどな。ってことでよろしく。」


そして潤一の唇がわたしの唇に触れた。

暖かい。

前と同じやわらかい唇。

ホントに死んだんだよね?

死んだって今言ったし、そうだよね?

意味がわか…──


バタッ。


「おい、璃那!!」


そう叫ぶ潤一の声も聞こえるわけがなく、睡眠不足、栄養不足も加勢して驚きすぎでわたしは倒れた。
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