A sweetheart is a ghost
「おーい、璃那。お前今日から仕事だろ?起きないと遅刻するぞ。」


ん…朝?


「風呂も入ってねーだろ。早く起きろ。」


あ、そうだお風呂。


ガバッと身体を起こしたわたしの横にいたのは潤一。

あれ?潤一…。

これは夢じゃ…なかったの???


「ほら、早く用意しろ。」

前みたいに、いつも言ってたように言う潤一。

え、何か夢だったのかな??

首をかしげてちょっと考えた。

意味がわからなくなってきてた。


「なに寝ぼけてんだ、早くしろ。」


そう言って潤一は手を引いた。

パジャマに着替えて布団に寝てたわたし。

あぁ、全て悪い夢だったんだ。

よかった、こんな夢見たって潤一に言ったら怒られるな。

ニコッと笑って


「うん、お風呂入ってくる。」


そう言ってお風呂場に向かった。

でも目に入った。

喪服が。


夢じゃ……ない。

バッと振り返って潤一を見ると潤一はベッドの上の布団を綺麗に整えてた。

なにが…どうなって…るの??


「じ、潤一?」

恐る恐る声を掛けた。

「ん?まだそこいたのかよ。」


「潤一なの??」


「それ以外に誰に見える??」

笑いながら言われた。

うん、確かに。

潤一にしか見えない。
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