帽子を取ったら…
 昼休み…


 輝人は食事しに学食に入った。


 今日は久しぶりにA定食をオーダーしてみる。


 手頃の値段にしては結構、ボリューム満点の人気メニューなのだ。


 カウンターで品物を手にすると、開いてる席を探す。


「お、アイツがいるじゃーん♪」


 輝人が見つけたのは、窓際の席で1人で食べている双木里奈だ。


 天ぷらソバをツルツルやっている里奈。


 輝人は上機嫌で彼女の隣に座った。


「…」


 輝人に見やる里奈。


「よぉ、調子どう?」


 輝人もさっそく、箸を付け始めた。


「どうって…、フツーだよ」


 フツー…


 いつもと違う態度に、輝人はオヤッと感じた。


 機嫌が悪いのか、無表情でうどんをすすっているのだ。


「どうしたん? 元気ねーじゃん」



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