帽子を取ったら…
「って言うかさぁ…、志穂嬢の方が前々から、俺の事を好きだったみたいなんだ」


「そう…なんだ…」


 里奈の目つきが変わった。


 何だか、怒りの表情になって来ているのだ。


「やっぱ、彼女ってお嬢様だよな? おしとやかだし、キレイだし」


「!」


 ガタン!


 急に里奈は立ち上がった。


 食事もそこそこに、トレーを持って立ち去り始める。


「おい! 里奈、どうしたんだよ!? おーい!」


 輝人が声を上げて呼び止めるけど…


 里奈は振り向きもせず、立ち去ってしまった。


 どうなっているのか?


 状況が理解出来ず、輝人は唖然とするはがりである。


 そこへ、2人の男子が輝人の所へやって来た。


 写真部仲間の青島と赤万である。


 赤万は里奈が立ち去った方向に視線を向けた。


 青島は輝人の相席に座る。


「双木のヤツ、不機嫌だな?」


「俺が志穂嬢と交際している事を話していたらよ、急に席を外しやがった」


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