帽子を取ったら…
「個人的な事情が有ると思うし、別にイイんじゃねー?」


 まあ大体、こんな雰囲気だろうか?


 一方の輝人は、マナーとかエチケットとかに関しては神経質なぐらい気にする男。


 当然…


 志穂嬢の帽子姿にも目が向いてしまっている。


 会う度にテルトは、神経ピリピリ過敏状態になってしまうと言うから殆どストレス溜まりっぱなし。


 1回ぐらい、バシッと言って気持ちを発散たいようだけど…


 里奈が鬼の如く、目を光らせているから口に出せないでいる。


 迂闊に言おうもなら、大目玉を喰らってしまうし。


 まあ実際、口に出して里奈と言い争いになっちゃった事も有るのだ。


「ったくぅ。村瀬ったら、余計な事は言わないの」


「なーんでだよぉ?」


 輝人ったら、情けない顔しちゃって。


「志穂だってちゃんと、分かっているんだから。下手に真剣を刺激しちゃあダメ」


「帽子の事、逆鱗に触れるってかぁ?」


「そう」


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