帽子を取ったら…
「誰に対して、そんな減らず口叩いてんの?」


 志穂嬢…


 かなり、クールな眼差しを向ける。


「私だって、言いたい事は言う権利を持っているから」


「最近のアンタって、男子部員たちにチヤホヤされているもんだから、イイ気になっているんじゃないのぉ?」


「別にイイ気になんか、なってないわよ」


「何だかねー、部長とかに馴れ馴れしく振る舞っているみたいだし」


 すとーっぷ!


 志穂嬢は両手を挙げて、相手の言葉を遮った。


「うるさいなあもう! 里奈ったらぁ、自分の嫉妬丸出しの愚痴を言う為に、わざわざココへ呼んだワケ? よっぽど暇なのね?」


「暇で悪かったよね。アンタに、自分の立場をわきまえるよう忠告しに呼んだんだけどねー」


「なによ、バーカ」


 里奈はニヤリと微笑みながら言う。


「もっとも? アンタは化け物だから? そんな難しい事を考える頭は持っていないと思うけどね」


「なーに? 化け物って?」


 志穂嬢の表情が厳しくなった。

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