帽子を取ったら…
 里奈はいきなり、志穂嬢の帽子を取って遠くに放り投げた。


 恥ずかしい行為をされて青ざめる志穂嬢。


 頭の腫れ物に指を差しながら、里奈は軽蔑な眼差しを向ける。


「志穂って、そんな不気味な頭で恋をするワケぇ? 勘弁してくれなーい?」


 ムカーッ!


 志穂嬢は怒る。


「こんな頭だから恋しちゃイケないって言うのッ!? それって言い掛かり!」


「そんな頭を見せられる、村瀬の身にもなってみなよ」


「それって、スッゴく嫌み!」


「でも今まで、そうだったよね? 殆どの男たちに逃げられてしまったじゃなーい?」


「輝人だけは嫌な顔をしてくれたわ。私の事を真剣に愛してくれてるし」


 里奈は笑う。


「可哀相だから義理で付き合っているだけかもよ? 村瀬って、お人よしだし。アンタが巨乳だから、メロメロになっちゃってるのかな?」


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