静かな海の兄き
「で…
どこまで話たっけ?」

右の人差し指で 頬をかきながら

翔に聞く宏史。

「“とけこめた”ってとこ。」

呆れながらも

即答した翔。

「そうそう。」

また

グラウンドに目を移した宏史は


「そこで 出会った3人の仲間と俊樹と…
後…もう一人いるんだけど…。」

そう言い

少し辛そうな表情をしたが…

「そいつらのおかげで
今があるんだよな…。」

今度は

愛しそうな眼差しで空を見上げた宏史。

そんな宏史を

翔は

じっと見つめている事しかできないでいた…


かける言葉が見つからない翔に

宏史は

優しい笑顔をむけると

「海 行こうぜ。」

そう言って

バイクの方へ歩いて行った。

なんで…そんな話
俺にするんだろ…

分からない事ばっかりなのに…

…親近感わくのも

なんでだろ…

そう思いながらも

翔は

宏史の後を追い

バイクにまたがった。
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