静かな海の兄き
「今の両親と血がつながってないわけじゃないんだ。」

「え?」

少し 間をあけて

また

宏史が話を始めた。

「今の母親の
兄夫婦が本当の親。
まあ…会ったことねぇけど…。」



寂しそうに言う宏史に

「なんで!?
宏史は…会いたくないの!?」

宏史の腕をつかんで言う翔に

「今の母親が嫌がったんだよ…。
本当の家族に会って
そっちに戻るんじゃないかって…。」

少し困った顔で答えた。

「でも…
本当の親とか…
その
双子のもう一人は
何も言わないの?」

詰め寄る翔に

宏史は

優しく翔の頭を撫でながら

「親は分かんねぇけど…
もう一人…弟は…
この事 まだ知らねぇんだ。」

宏史の答えに

翔は

「そんな…」



泣きそうな顔でつぶやいた。

そんなのって…
宏史が可哀想だ…!!
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