静かな海の兄き
そこにいたのは…

翔と同じ年頃の男の子だが

髪は見事な金髪で

着ているブレザータイプの制服も

見事に着崩していて…

まあ…いわゆる

ヤンキーらしい彼は

翔の肩をつかんだまま
にらみをきかせていたのだ…

俺…なんかした…?

体を固まらせながら

翔がそう思った時


その男の子が

にっと笑った。

えっ…?

呆気に取られている翔。

その翔の右手をつかむと

男の子は向きを変え

病院の外へ向かって歩き出した。

え?え?え?

引きずられるように連れて行かれる翔。

そして

それを気づきながらも
あえて無視をして

なおかつ

楽しそうに翔を引っ張っていく男の子。
< 9 / 36 >

この作品をシェア

pagetop