三度目の正直 〜二度あることは三度ある〜
「やっぱ陸はあたしの弟だからねぇ、心配するのは当たり前ってか?はははっ。」
「そ、そう。ちょっと恥ずかしいけどさ・・。」
愛ねぇの言葉に俺は不自然にならないように逃げ込んだ。
逆に、愛ねぇは俺を助けてくれるのは、俺が大切な・・・
・・・弟だから・・・?
俺は整理出来ない脳内を落ち着かせようと、ベッドから降りる。
・・あれ・・・・?
普段は従順な俺の体が今日はとばかりに言うことを利かない。
「あ、あんた左手、イッちゃってるから。」
「あ、そうですか・・。」
・・・・そうですか。
あ、本当に左手イッちゃってるわ・・・。
俺の左手は綺麗に折れたらしく、ギプスでガチガチに固められていた。
人間は本当に必要なモノは失ってから気付くんだね。
左手が動かせないだけで、体半分が動かないみたい。