三度目の正直 〜二度あることは三度ある〜

「やっぱ陸はあたしの弟だからねぇ、心配するのは当たり前ってか?はははっ。」

「そ、そう。ちょっと恥ずかしいけどさ・・。」



愛ねぇの言葉に俺は不自然にならないように逃げ込んだ。


逆に、愛ねぇは俺を助けてくれるのは、俺が大切な・・・




・・・弟だから・・・?








俺は整理出来ない脳内を落ち着かせようと、ベッドから降りる。



・・あれ・・・・?



普段は従順な俺の体が今日はとばかりに言うことを利かない。


「あ、あんた左手、イッちゃってるから。」


「あ、そうですか・・。」



・・・・そうですか。


あ、本当に左手イッちゃってるわ・・・。



俺の左手は綺麗に折れたらしく、ギプスでガチガチに固められていた。


人間は本当に必要なモノは失ってから気付くんだね。
左手が動かせないだけで、体半分が動かないみたい。







< 23 / 65 >

この作品をシェア

pagetop