三度目の正直 〜二度あることは三度ある〜
「あ。」

「あッ!」

「あ…。」


三人とも顔見知りの様子。




「田島ぁ、何やってんだ。」

「バイトに決まってんだろうが!」

「田島君、ここで働いてるんだ。」

「ご無沙汰しています、お姉様。」


田島は雰囲気が全く違って居て…、悔しくもかっこよく見えた。


「お二人様ですねぇ♪どうぞこちらへ!」

ふざける田島の言葉も、今の俺ではどうも流せない。

「では、ご注文の方が決まりましたらそちらのボタンを二人で押してくださぁい♪」

「あはは♪」


そう言って田島は愛ねえを笑わせて去って行った。


「何がいいかなぁ…」

愛ねえと二人きりのレストラン。

愛ねえは俺の正面に座ってる。

この席に俺は居ていいのだろうか…


愛ねえには彼氏がいるのに。


ここは彼氏がいるべきじゃないのか?


そんな事しか考えられない。





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