三度目の正直 〜二度あることは三度ある〜
「…おい、平岡。」
…田島?
「…うわっ。」
俺は田島に静に路地から引っ張り出された。
「何泣いてんの?お前。」
「愛ねえが…。俺、また守れなかった……。」
「愛ねえが…、じゃねぇよ。今からでも守ってこいよ。」
「相手は彼氏だぜ…?今考えれば弟の俺が口だす権利なんて…。」
そうだ、何俺ムキになってたんだ?
彼氏からしたら迷惑な話だろうな。
彼女の弟に姉を取るななんて…はは。
「は!お前本気で言ってんの?好きな女に弟も姉もあるかよ!大切な女取られて今度は泣きながら言い訳タラタラ言いやがって…。好きなんじゃねぇのかよ!」
「愛ねえが、好き…?」
お前は認めてくれんのか?
俺は弟で、相手は姉だぞ?
「好きに、兄弟も親も年の差も関係ねぇよ。もし、お前が大切な女が居て、守りたいって言うんなら、手ぇ貸してもいいぜ?」
田島はそう言うと笑った。