三度目の正直 〜二度あることは三度ある〜
「き、聞こえなかった!」
愛ねえはわざとらしく顔をそらす。
「え、だから、俺は…。」
やっぱり…
血の繋がりは越えられないの?
「ねぇ、陸…。」
「な、何?」
唇と唇が一瞬重なった。
「(あ・た・し・も)」
俺にはそう見えた。
愛ねえの口から音は出なかったけど…。
俺と愛ねえの初めてのキス。
二回目がないから
三度目も無い、
最初で最後の、俺の恋。
完。