天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
保健室のある一階から、最上階の三階まで。

接近戦の月姫、遠距離戦の夕、秋雨。

バランスの取れた三人が集まっている事もあり、彼らを苦戦させる者は皆無だった。

もう校舎の隅々まで回っただろうか。

「どうする?もう保健室に戻る?」

月姫が木刀を肩に担いで言う。

悪霊だ人外だといっても、月姫の剣術の前では赤子の手を捻るようなものらしい。

「そうだなぁ…これ以上うろついても得る物なさそうだし。幽霊怖いし」

秋雨も月姫に賛同する。

「いいのかなぁ…龍太郎君を狙ってる奴、きちんと倒せたのかなぁ…?」

いまだ不安げな表情を見せる夕。

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