天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
と。

「…秋雨君…秋雨君…」

秋雨の腕の中で、夕が小さく呟く。

「ん?何、夕先輩…」

「ちょっと…」

「ん?」

「ちょっと…夕、用事があるから…」

そう言って控えめに秋雨の腕を解く夕。

夕はそのまま頬を赤らめ、そそくさとトイレの方へ。

(何だ夕先輩、トイレかぁ。言ってくれればすぐ放してあげたのに、恥ずかしがっちゃって可愛いなぁ…♪)

そんな事を思いながら見守る秋雨の前で。

「あ…れー…?」

夕はスタスタと入っていく。

男子トイレの方へ。

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