天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
ベッドの方で聞こえてくる、争っているような物音。

「何だ…?…何やっている…?」

咥え煙草のまま歩いてきた郷の方に。

「うおあ!」

人影に投げ飛ばされた龍太郎が飛んでくる!

それを。

「おっと…」

受け止める事なくヒラリとかわす郷。

お陰で龍太郎は事務机の角で後頭部を痛打!

「て…てめぇ…保険医ならここは受け止めとけ…!」

あまりの痛さに悶絶痙攣しながら唸る龍太郎。

「俺まで巻き込まれたら堪らんからなぁ…それより…」

薄暗い位置に立ったままの人影を見ながら、郷は紫煙を漂わせる。

「アレは誰だ…?…見た所…悪霊や人外ではなさそうだが…」

「郷先生!」

雪菜が叫ぶ。

「きっとあの人が、龍太郎君の感じてた視線の正体ですぅっ!」

< 125 / 141 >

この作品をシェア

pagetop