天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
「えー!俺がスペシャルバカの為に学園に泊まんのー?」

不満丸出しの秋雨。

「まぁまぁ…龍太郎君の為に協力してあげましょうよ」

雪菜が言うと。

「うんわかった♪」

秋雨は二パッと笑う。

変わり身が早い。

「という事は、ちょっとした学園での肝試しみたいなもんだね」

月姫が木刀でポンポンと肩を叩く。

(じゃあ兄上に今日は帰らないって連絡入れないと…あ!他の男と外泊してるって誤解されないかしら!違う!違うのよ兄上!私は兄上一筋なんだから!)

何やら一人で月姫は悶絶している。

「うふん♪じゃあ龍太郎君とお泊まりなのねー♪」

龍太郎の胸板に、人差し指でのの字を書く夕。

「あ、ああ…」

困ったように後頭部を掻く龍太郎の背中に。

「っ!!」

また刺すような視線が感じられた…。

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