天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
という訳で月姫が先頭、二番手を夕が歩く。

秋雨は男の癖に最後尾という体たらくぶりだ。

というか、最後尾の方が背後からガバッ!と来られそうで怖いような気がするのは作者の気のせいか。

「それにしてもさあ…」

最後尾で安心したのか、秋雨が軽口を叩き始める。

「仲を取り持つくらいで先頭引き受けるなんて、月姫もどうかしてるぜ」

「あら、言ってくれるわねー」

月姫が振り向いた。

「愛の力は恐怖にも勝るのよ!」

グッ!と握り拳を作って力説する彼女。

「愛っても…兄貴だろ?禁断愛じゃん…」

ボソッと呟く秋雨。

「あら、でも…」

夕が少し夢見る乙女みたいな顔をした。

「好きな人の為に頑張れるって素敵な事じゃない?秋雨君もそういう経験あるでしょ?」

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