天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
そんな夕の肩を掴む者。

振り向くとそこには、秋雨が立っていた。

先程までの幽霊の出現に脅えていた顔ではない。

道化師の姿を見た途端、秋雨は凛々しい表情を見せる。

まるで己の使命に目覚めた者のように…。

「秋雨!?」

「駄目よ秋雨君!あれは只の人形じゃないかもしれないわ、迂闊に近づいたら…」

月姫と夕の制止も無視して。

「ああ」

秋雨は頷く。

「あれは只のピエロ人形じゃないよ。自動人形(オートマタ)…異世界への時空転移を繰り返す俺を追う、魔法界からの刺客だ…」

そう言った彼の足元に、幾何学模様の円陣が淡い光を灯して浮かび上がる!

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