天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
カタカタカタカタ!

道化師の口の音が更に激しさを増した。

その両手に。

「!!」

スラリと出したのはジャグリングで使う輪。

しかし只の輪ではない。

金属製、刃で出来た輪っかだ。

その輪を器用にお手玉よろしく操りながら、道化師は突進してくる!

無論、その刃の輪で秋雨達を切り刻もうとしているのは言うまでもない。

だが。

「洗礼、業火、煉獄の噴水」

ただの言葉の羅列のような『詠唱』を秋雨が口走った途端!

「!!!!」

道化師の足元から、暗闇を引き裂くほどの真紅の炎の柱が発生する!

(そうさ…)

秋雨は無言のまま、拳を握り締めた。

(お前達みたいな追っ手さえいなければ、俺はずっと姫と仲睦まじくいられたかもしれないのに…!)

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