天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
その壁越しに。

秋雨はユラリと右手を掲げる。

向けられた先には、何とか壁を破ろうとしている道化師。

表情もなく、感情も感じさせず、ただ黙々と己に与えられた役目…秋雨の抹殺を試みようとする殺人人形。

こんなものを野に放ってまで、どうして魔法界は秋雨の行動を封じたいのか。

ただ自分は、自由でいたいだけなのに。

様々な世界を旅し、様々な人々と出会い、この天神学園の仲間達や、自分を慕ってくれた姫のような温かさを感じていたいだけなのに。

(それすら邪魔するようなら)

「紫電、雷光、裁きの稲妻」

秋雨は詠唱と共に電撃を放つ!

(俺が全てを消し飛ばす!)

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