天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
いつも思う。

どうして私の恋愛は報われないのだろう。

私はこんなに兄上LOVE!なのに。

…普段学園生活や日常生活をしている分には、そんな悩みで悶々としていても問題はなかったかもしれない。

恋愛で悩むなど、誰もが経験する事なのだから。

だが今日はいささか状況が違った。

ここは夜の学園だ。

生徒など月姫達以外は皆無の、静寂の校舎。

今この学園を我が物としているのは、夜の世界の住人達。

そして彼らは苦悩や、鬱屈した感情を何より好む。

月姫は知らない。

悩めば悩むほど、月姫は人外や悪霊にとって『居心地のいい宿主』になってしまうのだ。

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