天神学園高等部の奇怪な面々Ⅳ
その事を。

(腹が立つわね…)

月姫は密かに苛立っていた。

(居心地がいいですって?負い目を感じてるですって?)

悪霊や人外達は、揃いも揃って理想的な『宿主』と月姫を絶賛する。

しかし。

「負い目なんて感じてないわよこのバカチンどもっっっ!」

絶叫と共に。

「あ!」

月姫は夕の手にしている護符を数枚しゃくり取った。

そして愛用の木刀に、その護符を包み込むように貼り付ける。

「言いたい放題言ってくれちゃって…私の恋路を嘗めるんじゃないわよっ!」

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