先生と約束

授業が終わる10分前ぐらい、
車を元あった場所に同じように停めなきゃいけない。



右、左、真っすぐとかいろいれ指示を出されるけど、今日の今日でバックで停めるとかまじでムリ


『…』


『…チョットだけアクセル踏んで』


先生は私ができないとわかったのか、
助手席から左手でハンドルを回し始めた。


さっきよりも至近距離になり

また、胸が、ドキドキしてる。




『ぼーっとしてないでギア戻して、
サイドブレーキかけて』

あっという間に車はもとあった場所に納まり先生は指示を出した。

『あっ…すいません』



まだ時間あるな。
と言いながら腕時計を見た。



ほとんどの車がまだ戻ってきていない。

隣の車を見ると悪戦苦闘しながらも生徒が自分で停めようとしていた。


『…出来るようになるかな』


独り言のように呟くと先生が答えた。


『練習すれば大丈夫。
隣の奴も最初は全然できてなかったし、まぁ最初はできなくて当たり前』


隣の車を見れば綺麗に停め終わっていた。


『はい』


膝になにかを置かれて見てみると、
ハンコの押されたカードだった。



『先生、このあとも授業とってあるんですけど、先生ですか?』




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