先生と約束

自分でもよくわかんないけど、
なんとなく次も北村先生がいいなと思って聞いた。


『確か、次はバスの運転手だから違う』


『そっかぁ』


今は生徒数が少ないから先生達も順番でバスの運転手をしているらしい。


『ねぇ先生って下の名前なんていうの?』


『下の名前?…気になる?』


先生はニヤッと笑って私に問いかけた。

自分で質問しておきながらも
先生のその返事が気に食わなくて
気にならない!とそっぽを向いた。

『あれ?怒った?』


『うぎゃ!』


目の前まで顔を覗かせてくるから
びっくりして変な声を出してしまった。



隣ではククッと肩を揺らして笑うのを我慢してる。


は、恥ずかしぃ…




そのとき終わりを告げるチャイムがなり
お疲れ様とドアを開けて出ていった。


私も慌てて出ていくと、まだ微かに笑ってる先生がいてむかつくから頬っぺたを
膨らましながら先生を睨みつける。

先生は私のその顔を見るなり、
フグと言ってまたククッと笑った。








授業の間に10分間の休憩時間があるけど、トイレに行ってたらみんなとしゃべる暇もなく5分前チャイムが鳴った。






次の授業の先生はなんだか陽気な人で世間話ばかりしていた。



話の合間に先生は歌を唄ったり、
あくびをしたり、外眺めて1人で
喋ってた。
緊張はなかったけど、チョット疲れたかも。
結局指示も全然出してくれないこら、
同じ所を何周もグルグル回っただけで
この日2回目の運転は終わった。







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