先生と約束
私の家からみゆちゃんちは、
車で20分はかかる。
お母さんには、みゆちゃんと遊んでから車校に行くと言い、みゆちゃんちまで送ってもらった。
『あれ?みゆちゃん、車校のかばんは?』
みゆちゃんの家に着いてから、バス乗り場まで歩いていると、みゆちゃんが手ぶらなことに気がついた。
他の車校はわからないけど、ここは入学式のときに、専用の小さなかばんを買い取ることになっている。
教科書などがちょうど入る大きさだ。
それをみゆちゃんが持ってきていない。
『私、次のバスに乗るから』
笑顔で答えるみゆちゃん。
なんで?と聞き返すと
北村先生と二人っきりの方がいいかな〜と思って
そんな嬉しい言葉を…
でもそのあとには続きがあって、
実はこの次に山ちゃんが乗ってくるの
とニヤリと笑っていた。
そろそろ時間だから、私行くね。
とみゆちゃんは帰っていった。
『…バス遅いなぁ』
携帯の時計を確認すると、
予定の時間より5分すぎてる…
なんか全然知らない街に一人残されて、チョット寂しい…
ーーーホントに来るのかな…