先生と約束

2〜3分たった頃、右の方から見慣れたバスが来た。



ホントに先生乗ってるのかな?

逆光で運転席が見えない。

近づくにつれ段々と先生の顔が見えてきた。

思わず嬉しくて手をぶんぶんと振ってみせた。





スピードもゆっくりになり、私の前に止まるものだと思っていたバスは、ゆっくりと通り過ぎていった。



『…えっ、ちょ…』



ーーーちょっと、止まってー!



慌てて走り出し、バスを追いかけた。



少しした所でようやくバスも止まり、やっとのことで追いついた。





『ハァ、…ハァ』



ドアを開け先生を見ると、涼しい顔をしてこちらを見てる。



『…ハァ、………セン、セ。

イジメ?』



息切れしながら話す私に先生は、


『うん、早く乗って』



と、急かした。







走り出した車の中でルームミラー越しに先生の顔を見る。



『…先生?ヒドクナイ?』


『自分の乗り場じゃないのにいるからバツ』



バツ、って…



『だからって走らせるとかありえない』


『……。なんでここ?』


なんでここから乗ったの?ってことかな?







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