先生と約束
『昨日、みゆちゃんの家にお泊りだったから』
で、その本人は?と聞かれ
『えーっと…な、なんか用事があるとか…。
次に乗るって言ってた』
ふぅーん、と言い黙ってしまった。
いつも乗るところより少し山の中に入ったこの道は樹々で生い茂っていて窓から見える景色はどこか暗くて、異様な雰囲気を出していた。
たまに太陽のヒカリが差し込み木と木の間をキラキラと輝かす。
『…先生?』
『ん?』
『…すきです』
ミラー越しに目があう。
ーーえっ…私、今、ナニイッタ?
自分の意識とは反した言葉が出て
慌てて口を塞ぐ。
『あ、えーっと…』
言葉に詰まってしまう。
『………』
『…………』
静まり返った車内。
『…先生、なにか返事ないの?』
沈黙を破ったのは私だ。
言っちゃったもんは、しょうがない
この際開き直りだ。
今更、後戻りはできないし
しかも、私が告白してから、2〜3分たつ
いや、もっとかな
やけに長く感じた。
さすがにナニか一言ぐらいあってもいいと思う。
『…返事って言っても、
どうすることもできないし』
『…』
ー確かに。彼女いるしね…。
チラッと先生の方を見るとミラー越しに私を見てる。