初恋ディジー
「いえ、俺は……それじゃあ、佐脇さんまた明日学校で」
榛名くんは自転車のカゴに入れてあった自分のカバンを背負い、そのまま突き当りの角を右折していった。
「ちょっと由真ちゃん?!」
彼の姿が見えなくなると、門の扉をあけて中に踏み込む。
「あんなイケメンいつの間にゲットしたのよっ!」
「だから、彼氏じゃないしゲットもしてないってば!」
もう、やだっ……
「ええ?だってわざわざ送ってくれたんでしょ?」
「暗くて危ないからってだけで、由真ちゃんが思ってるようなことはありません!」
ポストから郵便物を抜き出して、そのまま階段を上がった。