初恋ディジー
「あ、うん。隣りのクラスの子に借りたの……」
「へえ~それって男?」
由真ちゃんはニヤニヤと不気味な笑顔で訊ね返してくる。
「……そうだけど、どうして?」
「べっつに~?麻有も高校生なんだし、そろそろ恋愛したら?」
「……相手がいなきゃ恋愛なんて出来ないでしょ?」
私はそう言うと、靴を脱いでリビングに向かった。
「傘貸してくれた男の子ってどんな子なわけ?」
「凄くモテる人」
答えながら冷蔵庫に入っている食材を取り出して、夕ご飯の準備に取りかかる。
「好きな子が出来たらすぐ言いなさいよ?何でも相談に乗ってあげるからさ」
……相談って……人の恋愛に興味があるだけのくせに――…